大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和38(オ)338 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人青柳洋の上告理由第一点について。

所論(一)ないし(七)の点に関する原判決の認定した事実関係から、本件土地

は、その登記簿上の所有名義は上告人(被控訴人)であつても、実質上当事者双方

の共同の買入によりその共有に属し、反証のないかぎり、土地買入代金支弁の割合

からみて被上告人(控訴人)は少くとも本件土地について十分の三の共有持分権を

有すべきとする旨の原判決の判断は、原判決挙示の証拠関係に照らし、是認し得な

いわけのものではない。この点に関する所論は、原審の裁量に属する証拠の取捨判

断、事実の認定を非難し、これを前提として原判決の違法をいうものであつて、採

るを得ない。

なお、原判決は、上告人の持分権が十分の七である旨を確定判示しているわけで

はなく、上告人と被上告人との間において、被上告人が本件土地について十分の三

の共有持分権を有することを確認する旨の原判決が確定しても、ただちに上告人と

被上告人両名のみの共有関係が確定されるわけではない。それ故、原判決が上告人

において十分の七の持分のある旨を判断していることを前提とする論旨は前提を欠

くものであつて、採るを得ない。

同第二点について。

一審判決の事実摘示および一件記録によると、被上告人において本件土地が被上

告人と被上告人の母Dとの共同関係であることを主張していることは明らかであり、

従つて、原判決が被上告人の主張のとおり本件土地について、被上告人の共有持分

を認めたことはなんら違法ではない。また、原判決は上告人と被上告人両名のみの

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共有関係を認定したものでないことは、論旨第一点に対する説示に述べたとおりで

あつて、原判決が上告人との共有関係を前提として所論の判断をしたからといつて、

なんら弁論主義に違背するものとはいえない。

なお、所論は、原判決が、証拠に反しまたは証拠によらずして事実を認定した旨

非難するが、原判決挙示の証拠によれば、原判決の認定した事実を容認し得ないわ

けではなく、原判決には所論の違法は認められない。所論は結局、原審の裁量に属

する証拠の取捨選択、事実の認定を非難するに帰し、採るを得ない。

同第三点について。

原判決挙示の証拠によると、所論の点についての原判決の判断は正当として是認

でき、原判決には、所論のような違法はない。所論は、結局、原審の裁量に属する

事実の認定、証拠の取捨選択を非難するに帰し、採るを得ない。

同第四点について。

原判決は所論の点について、上告人、被上告人、訴外Dは、相談の上便宜上右三

名の者が当時右宅地の買受人の一人と考えていた上告人(被控訴人)の名義に登記

したものにすぎないものと推認し得る旨判示しており、右判断は、原判決挙示の証

拠により是認できる。しからば、右事実関係の下においては、登記に基づいて上告

人の単独所有を推定することはできないというほかはなく、原判決には所論の違法

はない。

よつて、民訴法四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文の

とおり判決する。

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 入 江 俊 郎

裁判官 長 部 謹 吾

裁判官 岩 田 誠

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